生きていく上では欠かせない住宅。
住宅といっても、その形態は一つではなく、賃貸に住む人や持ち家に住む人、社宅や寮に住む人など、さまざまな生き方があります。
その中でも、一生のうちに必ず悩むのは持ち家を購入するかの問題ですよね。
理想を言えば、立派な家を建てて、優雅な生活に憧れを抱くものです。
でもどんな住宅があるかもわからないよという方も多いのではないでしょうか。
ここでは住宅の種類について、それぞれ住宅のもつ特徴を比較しながら解説していきます。
家の種類とその特徴とは
家を建てる前に、まずは家の種類について知る必要があります。
一般的には木造住宅、鉄骨住宅(軽量)、鉄筋コンクリート住宅に分けられるのですが、ここでは一般住宅として建築割合の多い、木造住宅と鉄骨住宅(重量・軽量)を比較しながら解説していきます。
それぞれに特徴がありますのでよく理解して検討しましょう。
木造住宅
日本で一般的に普及しているのは木造住宅(防火木造住宅含む)です。
平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計(総務省)の集計結果では、木造住宅の割合は56.9%となっており、半数以上の人が木造住宅で建てていることがわかります。
平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計(総務省)
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_gaiyou.pdf
木造住宅のメリット
- 価格が安い
- 設計が自由にできる
- 断熱性・吸湿性が高い
- 固定資産税が安い
1.価格が安い
鉄骨住宅と比較してですが、一般的に木造住宅の方が価格は安く家をたてることができます。
木造住宅に使われる資材は軽いため比較的運搬コストが安くすみ、材料費用自体も安く抑えられるからです。
とにかく安く住宅を建てたいかたは木造住宅がおすすめです。
2.設計が自由にできる
鉄骨造と比較して間取りやレイアウト図面の自由度が高く、デザイン性のある住宅を建てることが可能です。
木造といっても、木造軸組工法や木造壁式工法などの工法があり、住宅メーカーによっても様々な特徴がありますので、事前に気になる住宅業者をリサーチしましょう。
3.断熱性・吸湿性が高い
木造住宅は、材質である木の特徴を生かした住宅のため、断熱性や吸湿性が高く、外気の影響を受けにくい特徴があります。
夏は外気からの熱を遮断しながら湿度を抑えられ、乾燥する冬には湿度を保ってくれるため、快適な空間を保つことができます。
4.固定資産税が安い
木造住宅は鉄骨住宅と比べて固定資産税が安く抑えられます。
これは、木造住宅の減価償却年数が短いことにあります。
実質的には木造住宅の資産価値の目減りが早いということになります。
木造住宅のデメリット
- 耐震性や耐久性が低い
- 耐火性が弱い
- シロアリなどの害虫被害に逢いやすい
- 建物の劣化が早い
1.耐震性や耐久性が低い
木造住宅は木でできているため、耐震性や耐久性が低いことがあげられます。
近年多い地震などの災害に見舞われた際には、倒壊するまではいかないにしろ大きなダメージを負う可能性が高いです。
2.耐火性が弱い
当たり前かもしれませんが、木は燃えやすいため火事になった際には大きな影響がでる可能性が高いです。耐火性の木材を使用していますが、それでも鉄骨造と比較するとリスクは大きくなるでしょう。
3.シロアリなどの害虫被害に逢いやすい
天然の木材を中心に建築することから、シロアリなどの害虫被害に逢う可能性も高くなります。住宅メーカーによっては防蟻点検などのサポートがあったりなど、定期的なメンテナンスや薬剤の流布が必須となるため維持コスト高にもつながる場合もあります。
4.建物の劣化が早い
木材を中心とした建築物になるため、自然災害や経年劣化の影響を受けやすく劣化が早くなります。
そのため劣化による修繕費用もかかってくることから、長期的にみるとコスト高となる可能性もありますので注意が必要です。
メリットの「4.固定資産税が安い」にも関連しますが、この経年劣化が早いことが影響して固定資産税が多少抑えられていることは必ず覚えておきましょう。
鉄骨住宅(軽量)
鉄骨住宅にも種類があり、軽量鉄骨造と重量鉄骨造があります。
重量鉄骨はマンションなどの大型集合住宅に用いられるため、ここでは軽量鉄骨造について解説していきます。
鉄骨住宅(軽量)のメリット
- 大きな家や広い空間を実現できる
- 耐久性や耐震性が高い
- 工期が短く、品質も安定している
- 資産としての価値が高い
1.大きな家や広い空間を実現できる
鉄骨住宅は、住宅の枠組となる鉄骨の間を大きくとれることから、大きな家や広い空間を実現できます。
家の大きさによっては中央部分に柱が1本必要なケースもありますが、それ以外は外側にしか必要がないため、間取りの制限やデザインの制限を受けにくいのが特徴で、坪数は少なくても広い家に憧れるなどの理想の家を建てたいかたはメリットが大きいです。
また部屋の高さも自在なため、一般的な木造住宅では天井高240cm程度のところ、大手メーカーでは天井高270cmの家を建てることも可能であり、部屋自体を大きな空間にすることも可能です。
2.耐久性や耐震性が高い
鉄骨住宅は、鉄の柱で囲うように建てられており、地震などの災害にも強く耐久性にも優れています。大地震が発生したとしても全壊することはなく、長期的に安全性が担保されているため永く住むという観点からもメリットは大きいです。
3. 工期が短く、品質も安定している
鉄骨住宅の多くは事前に工場で組み立てたパーツの状態で出荷され、パズルのように現場で組み立てるため工期が短く、結果コストが抑えられています。木造住宅の場合は人件費コストが大きくなりがちなので、素材自体が価値の高い鉄骨造はコストパフォーマンスに優れています。
また、木造住宅と比較して現場作業員のスキル差が生じにくいためバラつきがなく、安定した品質の住宅が期待できます。
4.資産としての価値が高い
鉄骨住宅は耐久性に優れており老朽化しにくいため、資産価値としても一定の水準を保つことができます。資産としての家を建てたいというかたは、長期間において資産価値の減少が緩やかな鉄骨住宅で建てたほうがメリットが大きいでしょう。
鉄骨住宅(軽量)のデメリット
- 価格が高い
- 断熱性がやや弱い
- 地盤改良工事費用が高くなる場合がある
- 固定資産税が高い
1.価格が高い
鉄骨住宅は、素材は鉄や鋼を中心に建築されるため坪単価が高くなる傾向にあります。
鉄骨で建てたいけれどもコストも抑えたいというかたは、坪数を減らしたり、設備グレードを下げたりと調整することである程度はカバー可能です。
2.断熱性がやや弱い
鉄骨住宅で用いられる鉄素材は熱の伝導率が高いため、夏場は外の暑さが伝わりやすく、冬は外の冷気で寒さが伝わりやすいというデメリットがあります。
ただし近年は、断熱材の技術も向上しており、住宅メーカー独自の工法で断熱性能をカバーしているため、一概に木造住宅よりも劣っているとは言えないレベルになってきています。
3.地盤改良工事費用が高くなる場合がある
地盤改良工事とは、建設する土地の地面を柱や基礎などがしっかりできるように準備する工事のことです。鉄骨住宅の場合は、鉄の柱を用いるため土地の状態によっては地盤改良費用が高くなる可能性があります。
4.固定資産税が高い
鉄骨住宅は木造住宅と比較して固定資産税が高くなる傾向にあります。
固定資産税は住宅(土地)の固定資産評価額に対して税率1.4%を乗じて計算されますが、この固定資産評価額が下がりにくいため、結果として固定資産税が高くなります。
まとめ
住宅の種類によって特徴が大きく異なります。
ハウスメーカーの営業は基本的に良いことしか言いませんので、ここでは実際に新築を建てた経験をもとに記事にまとめてみましたので、少しでもご参考になれば嬉しいです。
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